チャンスは、いつ、どのように現れるのでしょうか。あなたはチャンスをつかめる人でしょうか。次の設問は、それを考えるツールです。[診断]は占いと同じ、気にいらない診断はまったく気になさらないでください (^^; あくまで考えるキッカケのゲームです。
富士山登山
Q1 あなたは友人と楽しみにしていた富士登山に出かけました。普通は山小屋で一泊するのですが、未明に車で五合目まで、そこから登りはじめて昼すぎ山頂で食事、夕刻までに下山するというハードな計画でした。ところが、予想以上に山道が険しく、昼すぎにようやく九合目。友人は唇が紫色でとても苦しそう。疲労困憊の友人ですが、ここまで来たらもう一息だから頑張ろうと言っています。あなたは次の中でどの行動を取る?
a九合目から引き返す
b友人を九合目の山小屋に休ませて、山頂へ向かう
c友人の様子を見ながら、二人で山頂へチャレンジする
Q2 あなたは物書き(ライター)志望。初めて出版社へ自分の原稿を持っていきました。応接室に入ってきた編集長は、ともかく原稿を見せてくださいと言ってあなたが持参した原稿を読み始めました。こんな時、あなたは何を考えて待ちますか?
a原稿を気にいってもらえるかどうか
b何かを聞かれた時にどう応えるか
c何も考えずに待つ
Q3 あなたは友人の彼(彼女)を好きになってつき合っています。友人はあなたを信じていて、まさか彼(彼女)とそんな仲になっているとはまったく思っていません。あなたは次の中でどの行動を取る?
a友人に正直に話す
b黙っている
c彼(彼女)と別れる
[診断]
Q1~Q3で選んだa・b・cを次の表で点数換算して合計、合計点で診断します。
配点表
〔チャンス到来確率予報〕
A……90%以上
開運状態。あなたは今のまま自然体でいれば、黙っていても大きなチャンスが次から次へと引きつけられてきます。
B……90~70%
時々、ポカをやるあなた。けれども、あなたが人への誠実さを忘れないかぎり、気がつけばチャンスは必ず目の前に。
C……70~50%
あれもこれもと欲張ってしまいがちなあなた。いっぺんに手に入れようとすると、全部手からこぼれてしまいます。
D……50%以下
まだ自分の世界だけで生きているかも。あなたが自分のことしか考えなければ、自分のことしか考えない人か、あなたを利用しようとする人だけが寄ってきて、チャンスはほとんどなさそう。
[ものの見方]
チャンスのタネは、たぶんいつでもどこにでも転がっているのですが、それを活かすも活かさないも自分しだいなのです。
映画ではたまたま出会った大金持ちに見初められて劇的に人生が好転するといったパターンがありますが、それは宝くじに当たるようなもの。多くの人にとって、チャンスはそれとわかるほどに劇的ではないでしょう。
好人物との出会いにしろ、ビジネスの成功にしろ、実際には、その時、その場面、その相手が過ぎてから、「ああ、あれがチャンスだった」と気づくのではないでしょうか。
また、チャンスは突然やってくるわけではなく、大きなチャンスがやってくる前に、そのチャンスを引き寄せる小さなチャンスが積み重なっているものです。
はっきりしているのは、チャンスを運んでくるのは“人”だということ。まず人との良き出会いがなければ、何も始まらないのです。ですから、チャンスを引きよせるのは、日頃から人を大切にする自分の生き方。つまり、日頃から周囲の人を大切にして生きていれば、その積み重ねに応じてチャンスが呼び寄せられるのです。
設問への回答には、考え方、価値観、ものの見方があらわれます。配点は、周囲への誠実さやいさぎよさが感じられる場合を高得点とし、自分中心の言動とみられる場合を低くしました。周囲への誠実さや潔さは、人をひきつけ、チャンスをもたらすと考えるからです。設問ごとには、以下のように考えました。
なお、いわずもがなとは思いますが、設問と類似した出来事が本当に自分に起こったとしても、現実の出来事と抽象的な設問とはまったく異質。配点はまったく気にせず、誠実さを胸に、臨機応変に対応するしかありません。
Q1 問題状況での決断に自分があらわれる
設問の富士登山は、もともと無理のある計画です。昼を過ぎても頂上に到達せず、友人に疲労と高山病によるらしいチアノーゼ(唇が紫色)が出ている状況は、計画がすでに破たんしていることを示しています。
そもそもこの登山は、友人と“楽しむ” ためではなかったのでしょうか。友人の様子を見れば、aの「九合目から引き返す」以外の選択肢は考えにくいです。
bの「友人を九合目の山小屋に休ませて、山頂へ向かう」は、いつの間にか“山頂”だけが目的となっていて、楽しむという目的も友人への気づかいも吹き飛んでいます。大切なものを見失ってさまよっている人のようです。
cの「友人の様子を見ながら、二人で山頂へチャレンジする」は友人の性格や体の具合によっては、ありえなくもないというだけ。基本、友人が死に物狂いで登山を主張したとしても、それを制止して下山する決断をしたほうがよいでしょう。富士登山はまたのチャンスがありますが、友人に何かあったら取り返しがつかないのです。
Q2 相手を安心させる器量
設問は、ライター志望者の出版社への原稿持込みを題材にしていますが、試験面接やビジネスの取引先や見合い相手との初顔合わせなど、人生の分岐点、勝負の際の心の持ち方に通じています。
aの「原稿を気にいってもらえるかどうか」は、だれしも気になるかもしれませんが、評価は相手しだい。賽は投げられているので、結果を案じるより、後学のためにまた会うかもしれない相手の表情や言動を観察するくらいの気構えがほしいところです。
bの「何かを聞かれた時にどう応えるか」というのは、会う前に考えておくことです。
こうした面談では想定問答などの準備は事前に万端ととのえておき、現場ではcの「何も考えずに待つ」という自然体が正解です。
現場では想定外のことばかりになるのが相場で、想定問答などの準備は心を落ち着けるのに役立つだけです。むしろ、想定どおりにならなくてあわててしまったら最悪。現場では、「人事を尽くして天命を待つ」のみです。
質問に対して臨機応変に自分の考えを述べる姿勢は、相手に安心感を与えます。
面談の相手は自分より場数をふんでいるわけですから、普段とちがう応対は見抜かれると思って間違いありません。就活などでマニュアルどおりの優等生回答ばかりしても、不合格になったりするのはそのためです。
しかし、臨機応変さというのは、一朝一夕に身につくものではありません。人に接するときに誠実に自分を表現するという普段の積み重ねが、自らを助けます。
Q3 情愛と誠実さ、どちらが大事
友人の彼(彼女)とつきあっていて、a「友人に正直に話す」というのは、現実にはもっともありそうもないパターンです。なぜなら、それほど正直な人は、そもそも不倫のごとき関係になりそうなときは、事前に回避行動をとるでしょう。
とはいえ、いかに誠実、正直な人とて、魔がさして設問のような状況におちいることがあるかもしれません。でも、そうなっても、根が正直なので、結局は友人に話さずにおられなくなるわけです。
事が事だけに、正直に話しても友人との関係は破たんしてもしかたないでしょう。
しかし、aのバカ正直さとbの「黙っている」とでは、どちらが社会のなかで信用されるかは明らかです。バカ正直なだけでは世の中は渡りにくいかもしれませんが、それでも、そのマイナスを補ってあまりある“信用”を得られることでしょう。
bの「黙っている」は、情愛のために友人の信頼を裏切りつづけているにほかなりません。「黙っている」人とは、だれもつき合いたいとは思わないでしょう。そのように自己中心的では良き出会いがすくなく、チャンスは訪れず、その彼(彼女)ともうまくいかなくなるのが約束されているように思います。
cの「彼(彼女)と別れる」は、まさに“後悔先に立たず”ですね。別れたところで友人の信頼をとりもどすのは困難でしょう。反省が見られるという点でbより点数を高くしましたが、別れを告げられる彼(彼女)にしてもたまったものでなく、bの不実さとあまり変わらない気がします。
※「ゲームで自己啓発」は、90年代に出版された筆者の『東大式おもしろ心理ゲーム』を改訂して掲載しています。