特殊な能力というものがあります。絶対音感、写真のような記憶力、超人的な身体能力……それらの特殊な能力は、先天的かもしれません。けれども、ビジネスで成功する能力、目標を達成する能力といったものも、はたして先天的なのでしょうか。あなたは、そうした能力のことをどのようにイメージしていますか。
次の設問は、それを考えるためのツールです。その後の[診断]は占いと同じ、気にいらない診断はまったく気になさらないでください (^^; あくまで考えるキッカケのゲームです。

Q1 結婚したい好きな彼(彼女)が、バンジージャンプをしようと誘ってきました。彼(彼女)は何度もやっていてバンジージャンプの素晴らしさをよく話題にします。あなたはやったことはありませんし、バンジージャンプは怖いと思っています。こんなときのあなたの反応は?
a 即座にOKする。
b いろいろ理由をつけて結局やらない。
c できない、ときっぱり断る。
Q2 あなたは新入社員。上司が企画案をまとめてくれないかと話をもちかけてきました。ところが、あなたの知らない専門的な知識がなければその企画案はまとめられそうもありません。あなたの返事は?
a 調べないと返事ができませんと応える。
b 自分ではできないとお断りする。
c やらせていただきますと承諾する。
[診断]
Q1~2で選んだa・b・cを次の表で点数換算して合計、合計点で診断します。

〔突破力チェック〕
A……前進あるのみタイプ
なんでもやれるあなたの課題は、目標をしぼること。
B……二歩前進一歩後退タイプ
「できない」理由を考えるより「やる」理由をたくさん考えるようにしましょう。
C……一歩前進一歩後退タイプ
自分の気持ちに素直に行動してみませんか。
[ものの見方]
ビジネスをうまく進める能力、コミュニケーションをスムースにやれる能力、さまざまな問題の解決能力、それら社会生活で要求される能力はすべて後天的なものです。生まれながらにできる人は一人もいません。
その人自身が能力を開拓しようとしなければ、できないのは当たり前です。
何事も「できない」と決めつけるのは禁物。そう思うのは自分で壁をつくって可能性をせばめるだけ。まして、それを理由にして目標をあきらめるとしたら、残念なことです。
人それぞれに得手不得手があるのは事実ですが、不得手なことでも時間をかけてチャレンジしつづければ、ほとんどの人が自転車に乗れるようになるのと同じく、大方のことはできるようになります。
単に「今の自分にはむずかしい」のであって、「できない」わけではないのです。
以下は、設問ごとの配点の考え方。
Q1 情熱ができる自分をつくる
相手への情熱があれば、バンジージャンプくらいなんのその。バンジージャンプが「できるできない」なんて問題外です。aは同じ体験をして話題を共有したいというあなたの情熱が伝わり、つき合いが一歩前進することはまちがいありません。
bは好きな相手より、自分の思いを大切にしているように見えます。
cは自分の考えがしっかりあるように見えますが、bと同様、「できるできない」「怖い」のほうが相手への思いより勝っているようです。
この設問は、彼(彼女)→目標、バンジージャンプ→目標達成の過程に現れる課題、と置き換えて考えれば、意味がわかりやすいかもしれません。
Q2 可能性は「できない」壁の向こうにある
ビジネスパーソンであれば、ほとんどの人がcを選ぶでしょう。
aやbのように、「専門的な知識がないからできません、考えさせてください」と上司の依頼を受けないのは、新卒の新入社員がやってしまいそうな応対で、理路整然と間違っています。
- 上司は新入社員の仕事への姿勢や能力を知りたいために依頼しています。
- 専門的な知識がないとまとめられない→まとめるのに必要な専門的な知識がいま現在ないとしても、全力で調べればよい話。新しい知識を自ら学ぼうとする姿勢がないと宣言しているようなものです。
- やらずに「できない」というのは、自分で壁をつくっているようなもの。上司から見れば、この種の仕事は頼めないことになり、仕事の可能性を自分からせばめています。
今できないからといって目の前のチャンスを見逃すのは、可能性を捨てていくようなものです。もちろん、現実の会社では、仕事の優先順位や職場環境、上司との人間関係などによって、すべての依頼を受ける必要はないかもしれませんが、設問のような状況ではcの一択でしょう。
仕事でも学問でも、人間関係でも、初めから「できない」では何も始まりません。「今できなくとも、やればできる」と信じて一歩前に足を出せば新しいステージにたどりつけるのが世の中のしくみです。
※「ゲームで自己啓発」は、90年代に出版された筆者の『東大式おもしろ心理ゲーム』を改訂して掲載しています。

